ダウジングについて

 ダウジングを科学の常識の範囲内で説明しようとする説の一つとして、脳が地磁気の変化を感じるためだとする説がある。だが、私はこの説には全く否定的である。なぜなら、人間の脳は、それほど地磁気に敏感ではないからである。
 それでは、ダウジングは、どう説明されるべきなのか?
 インチキは論外として、まともな調査でも、何と7割以上の確立で当たるというから、これは無視できない問題だろう。
 私としては、次の二つの可能性を指摘したい。

  1.長年の経験による勘

  2.周囲の人間の影響

 まず、1.についてだが、これはそうバカにできないものである。それに、これにはある程度根拠がある。
 水道管やガス管などは、どこでも埋められるというものではない。地形や地質、その他諸々の条件から、埋められる場所は制限されてくる。そこで、漠然としてではあるが、ある種の傾向が生じてくるのである。人間は、こうした漠然とした法則性を捕らえるのが、得意なのである。逆に、コンピューターはこれが苦手である。しかも、こうした漠然とした法則性を見いだす能力は、経験によって、ますます磨かれていくものだ。
 地雷についても、同じ様なことが言える。その上、人間には癖というものがある。地雷を埋めるにしても、それを埋めた人の癖が出る。経験を積むほど、癖が見破りやすくなる。
 水脈や地下鉱脈がある場所でも、地形や植物の生え具合などに、漠然としてではあるが、ある種の傾向がある。
 そういうわけで、経験による勘は、決してバカにできない。

 さて、次に2.について説明しよう。これは、被験者(ダウジングを行っている者)の周囲の人間の心理が、雰囲気などによって、被験者に伝わってしまう現象である。
 例えば、貴方が被験者でダウジングをやっていたとしよう。すると、それを見ている人たちは、貴方が物の埋まっている場所に近づくと、そわそわしたり、身を乗り出してきたり、表情や目つきなどが変わったりする。こうした周囲の変化に気付いた貴方は、不覚筋動によって無意識の内に、二本の棒を開いてしまうわけである。
 被験者に目隠しをして車椅子に乗せ、他の者がその車椅子を押してやる実験でも、同じことが言える。標的の物体に近づくにつれ、車椅子を押している人は、
『おっ、どうだ?、どうだ?、ん?』
と慎重になって、無意識の内に車椅子を押すスピードを遅くしてしまう傾向がある。この速度変化を、被験者が感じとるのに、超能力などは必要ない。特に、目隠しをされ、視覚を奪われると、他の感覚はますます敏感になって、速度変化が感じとりやすくなるのだ。
 このように、周囲の人間の雰囲気が、二本の棒を開かせてしまうのである。
 これは、透視実験にも言えることである。よく、みんなと一緒だとうまくいくのに、ひとりでやるとうまくいかないというのがある。これも、みんなと一緒だと、正解を知っている周囲の人間の雰囲気を感じとれるからである。
 そういえば、動物にカードを当てさせる芸でも、動物が人間の顔色をうかがって当てる、というのがあるそうである。
 集団心理とか群衆心理というように、人間は周囲の雰囲気に惑わされやすいものだ。ダウジングは、こうした人間の心理と関係があるように思われる。

 このように、ダウジングの多くは、人間の心理という面から説明がつくのである。

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