心霊写真について - シャッター異常動作説

 世の中には、心霊写真というものがある。それに対して、科学の常識の範囲でこれを説明しようとする説が存在する。心霊写真の何割かは、それらによって説明できる。だが、中には、説明できないものも存在する。
 中でも、映っているべきものが映っていない写真、つまり、体の一部が映っていなかったり、透けてしまっていたりしている写真、および、体の一部がずれてしまっている写真などについては、全く説明できていないというのが実情だろう。
 そこで、私が提唱したいのが、『シャッター異常動作説』である。
 スチル写真のカメラのシャッターは、極低価格の製品を除けば、複数の羽根が重なりあうような構造になっている。そして、これらが一斉に動くことによって、光の通り道が開いたり閉じたりするのである。
 そこで、もし、これらの羽根のうち、一部がまともに動かなかったとしたらどうなるだろうか?
 もし、シャッターが閉じているべき時に、一部の羽根が閉じていなかったら、その部分だけ、光が漏れて内部に射し込んでくるだろう。そして、写したつもりのないものが、フィルムに写ってしまうことになるだろう。
 もし、シャッターが開くべき時に、一部の羽根が開かなかったら、その部分だけ、光線が遮られてしまうだろう。そして、写っているべきものが、写らなかったり、薄くしか写らなかったりするだろう。
 さらに、もし、一部の羽根が、タイミングがずれて動いたとしたら、その間に被写体が動くことによって、一部がずれたように写る可能性がある。
 シャッター動作に異常が生じる場合、上記3種のトラブルが併発することも少なくない。したがって、これらの組み合わせにより、さらなる多くの種類の、様々な心霊写真が説明できることになる。
 このように、シャッター異常動作説は、心霊写真の説明として、多くの可能性を秘めている。

 シャッターが異常動作を起こすことは、そう珍しいことではない。特に、古いカメラや長期間使っていなかったカメラなどでは、こうしたことが起こりやすい。事実、心霊写真は、こうしたカメラで撮られやすい。もちろん、こうしたカメラでも、メンテナンスが充分行き届いていれば、こうしたトラブルが起こる確立は低い。
 逆に、新製品のカメラでも、扱いが乱暴だったりすると、こうしたトラブルが生じることになる。カメラを振り回したり、ぶつけたり、振動を与えたり…。また、バッグなどに無理矢理押し込んだりすると、カメラに力が加わってフレーム等が曲がり、シャッターが正常に動かなくなることがある。また、高温、多湿、埃なども、カメラのような精密機械には厳禁なのである。
 そういわれると、思いつく人もいるだろう。

 シャッター異常動作説には、いくつか有利な証拠がある。例えば、上で述べた、写っているべきものが写っていない写真や、体の一部がずれてしまっている写真というものについて、デジタル・カメラやビデオ、ムービーなどでは、報告例がないことである。
 デジタル・カメラやビデオのシャッターは電子式で、原理が全然異なる。
 また、同じ光学式でフィルムに撮影するムービーについても、シャッターの構造が、機械式とはいえ、スチル写真カメラとは異なる。その多くは、穴の開いた円盤や円筒が回転するだけの単純なものである。これは、画質は劣るが、ムービーのように短い時間間隔で何度も何度もシャッターを切らねばならないものの場合は、こうした構造の方が向いている。
 いずれにせよ、こうした異なる構造のシャッターでは、スチル写真カメラのようなトラブルは起こりにくい。

 心霊写真を、科学の常識の範囲で説明するための一つの仮説として、シャッター異常動作説は充分考慮に値するものと、私は考えている。

追記

 シャッター異常動作説は、心霊写真の他に、一部のUFO写真も説明できる。写真を撮った時には見えなかった…というUFO写真の多くは、この説で説明がつくだろう。

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