・光は本当に横波か?
力線の理論は、光(電磁波)の姿について、従来のマックスウェル電磁気学とは全く異 なった見方を提供してくれる。だが、それについて述べる前に、次のような問いを発して みよう。 「はたして、光は本当に横波なのか?」 多くの人たちは、光が横波であると信じている。だが、もし光が横波だとすると、ある 概念と矛盾してしまう。その概念とは、『球面波』である。実は『横波』の『球面波』な どというものは、有り得ないのである。それを以下に示そう。 いま、球面波上の点Aの変位が下図の様であったとする。 すると、球面波上では変位が等しいのであるから、その付近の場所における変位が、下図 のように求まることになる。 同様にして、球面波上の変位が、次々と求まっていく。 すると、球面を半周したところ(点A’)で、ある矛盾にぶち当たる。 図からおわかりのように、緯線沿いに求めた変位と、経線沿いに求めた変位とが、一致し ないのである(変位が逆になっている)。これは矛盾である。 このように、横波の球面波などというものは、有り得ないのである。 もし球面波というものが有り得ないとすると、『ホイヘンスの原理』も『ミンコフスキ ーの四次元座標』もナンセンスということになる。ちなみに、ホイヘンスは『光=縦波説』 の信者であった。縦波なら、上述のような矛盾は生じない。 以上のことから、『光は横波である』という常識が正しくないことがわかるだろう。