・エネルギーの授受(3体以上)−第三者の干渉(遠隔作用の特徴)
さて、作用を及ぼし合う物体の数が3つ以上になると、また少し事情が変わってくる。 例として、下図のような3体問題を取り上げよう。 先程の物体Aと物体Bに加えて、今度は物体Cという第三の物体が加わっている。このこ とにより、物体Aから物体Bへの作用の伝わり方が、どう変わるのかが問題である。 物体Aの作用は、物体Bだけでなく物体Cにも伝わる。また、物体Bは、物体Aからだ けではなく、物体Cからも作用を受ける。つまり、まとめて言うなら、物体Aと物体Bと の間に働く作用に、物体Cが干渉するということだ。それは、たとえ下図のように、物体 Cが、物体Aと物体Bとの間にない場合でも言えることである。(ただし、干渉の度合い が違う)。 または、 さて、物体Cの干渉の度合は、物体Cの電荷や質量に加えて、位置も関係してくる。お おざっぱな言い方をすれば、物体Aと物体Bを結ぶ線分に近づくほど、干渉の度合は大き くなり、遠ざかるほど小さくなる。また、物体Aや物体Bに近いほど干渉は大きく、遠い ほど小さい。下図を例に説明すると、C2の方がC1より干渉の度合が大きい。また、C1より C3、C1よりC4、C4よりC5の方が、干渉の度合が小さい。 いずれにせよ、物体Cが、物体Aと物体Bの間の作用に影響することが、おわかりにな ったであろう。さらに、物体Aと物体Bにとって、物体Cはあたかも近接作用における媒 体(エーテル)のような存在であることにも、お気づきになったはずである。そして、こ うしたことは4体以上の問題でも言えることである。 実は、ここで述べたことが、次に述べる『疑似エーテル』の考え方につながっていくの である。