1.1 相対論と超光速

1.1.1 アスペの実験


 相対論信者たちの超光速に対する態度は、極めて興味深い。たとえば、UFOについては、「アインシュタインの相対論により超光速は禁じられているのだから、UFOは存在しない」と主張する。そのくせ、『アスペの実験』の話になると、「それは相対論の矛盾を示すものではない」とか「相対論は超光速を禁じてはいない」などと開き直る。
 このまことに恣意的でご都合主義的な態度には、まったくあきれかえる。
 そもそも、
「量子力学が予言する(アスペの実験結果のような)超光速現象は、相対論に反することだから、あり得ない。従って、そのような結果を予言する量子力学は間違っている!」
と主張したのは、アインシュタインではなかったのか?
 もし、アスペの実験結果が相対論の矛盾を示すものではないというなら、アインシュタインは相対論を間違って応用していたことになる。では、アインシュタインはどこで間違いをやらかしたというのか? 相対論信者たちは、この問いに決して答えようとしないのである。UFOの時は、あれだけアインシュタインの名をあげつらっておきながら…。
 いまさら説明するまでもないことだが、相対論は『光速度不変』を原理とする理論である。一方、アスペの実験は『光』を用いた実験である。その『光』において、超光速現象が確認されたということは、少なくとも『光速度不変の原理』が『原理』と言えるほど確かなものではない証拠ではないのか?
 要するに、相対論信者たちは相対論を信じていたいのである。

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