1.2.5 もう一つの乱用例


 マイケルソン・モーレーの実験に関する定説が、幾何光学の乱用による似非科学であることは、すでに述べた。ここでは、幾何光学の乱用例をもう一つあげることにしよう。それは、太陽の近くを通る光の曲がりについてである。

 一般相対性理論によれば、太陽の近くでは時空が曲がっているので、そこを通る光も曲げられるという。そして、このことはエディントンの日食を利用した実験によって証明されているという。
 もっとも、エディントンが行った実験は、今日では、相対論に都合の悪いデータを無視するという、まったくのイカサマ実験であったことが判明している。事実、後に別の科学者が同様の実験を行ったところ、相対論の予言とはかなり異なった数値が得られたという。
 エディントンのイカサマ実験については、これ以上触れないことにして、ここではむしろ理論上の問題点について指摘しよう。
 もし相対論的効果により光が曲がることを証明したいのなら、まず相対論的効果を考えない場合に太陽の近くで光は曲がらないことを証明しなければならないはずである。では、相対論ではそれをどう証明しているのか?
 まず、真っ直ぐな定規を用意する。それを用いて、太陽すれすれに直線を引く。そして、この線が光の通り道だとする。証明終わり!
 これは、まさしく幾何光学の乱用である。電磁気学的な考察は、一切行われていない。
 こうしてみると、やはり相対論は、幾何光学の乱用によって生まれた似非科学であることがわかるだろう。悲しいかな、相対論信者たちは、一般相対性理論の華やかな高等数学の羅列に目を奪われ、事の本質を完全に捕らえ損なっている。彼らの心理には、『数学的二次元コンプレックス』があるのだ。この数学的二次元コンプレックスについては、『第三部 相対論的オカルティズム』で詳しく説明しよう。
 このように、相対論は、上辺こそ高度な科学理論のように見えるが、その本質はまことに稚拙な(中学生レベルの)似非科学なのである。

 幾何光学はわかりやすい一方で、物理的根拠に乏しいところがある。それ故、幾何光学を使って解くことのできる問題は、非常に限られている。本当に物理を知っている人なら、こんなことは言われるまでもないことのはずなのだが…。

 

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