1.3.6 致命的矛盾

 マックスウェル方程式は万能ではないばかりでなく、完璧でもない。次に、マックスウ
ェル方程式が事実と矛盾する例を挙げよう。
 いま、慣性運動(等速直線運動)する磁石を考えよう。磁石が移動すると、周囲の磁場
が変化する。すると、マックスウェル方程式によれば、その周囲に電場が生じる。磁石が
移動すると、この誘導された電場も変化する。すると、マックスウェル方程式によれば、
その周囲に磁場が生じる。磁石が移動すると、この誘導された磁場も変化する。すると、
マックスウェル方程式によれば、その周囲に電場が生じる。磁石が移動すると、この誘導
された電場も変化する。すると、マックスウェル方程式によれば、その周囲に磁場が生じ
る。磁石が移動すると、この誘導された電場も変化する。すると、マックスウェル方程式
によれば…、この繰り返しによって、次々と電磁場が誘導されていく。つまり、電磁波が
発生する。
 このように、マックスウェル方程式では、磁石が移動すると電磁波が発生することにな
る。一方、電磁波にはエネルギーがある。ということは、電磁波が発生した分だけ磁石は
運動エネルギーを失わなくてはならない。運動エネルギーを失えば、磁石は減速し、つい
には静止してしまう。
 ここで問題が生じる。磁石は、いったいどの系に対して静止することになるのか?
 ある系に対して静止するということは、別の系にとっては、動き出す、つまり運動エネ
ルギーが増すということである。これは、矛盾である。実際には、磁石は(ある系に対し
て)減速することはなく、そのまま慣性運動(等速直線運動)を続ける。
 このように、マックスウェル方程式と矛盾する事実が存在するのである。ちなみに、磁
石の代わりに電荷を用いても同様の矛盾が生じる。(磁場と電場を入れ替えればよい。)
 この矛盾を誤魔化すため、相対論信者たちは見苦しい言い訳をする。
「慣性運動(等速直線運動)の場合、誘導によって発生した電磁場は、磁石(または電荷)
にまとわりついて一緒に運動する。それゆえ、電磁波は生じず、運動エネルギーが失われ
ることはないのだ」と。
 これは、まことに虫の良い、ご都合主義的な言い訳である。
 電磁場はどうやって、磁石(または電荷)が慣性運動(等速直線運動)をしていると判
断できるのか?
 そもそも、誘導によって生じた電磁場は、磁石や電荷にまとわりつくことができるもの
なのか?
 こうした疑問に、相対論信者たちは決して答えようとしない。なぜ彼らは、こんな無根
拠な屁理屈を押し通そうとするのか? それは、そうしないと、相対論の前提となるマッ
クスウェル方程式が事実と矛盾してしまうからである。そうなれば、相対論も死滅する。
 要するに、彼らは相対論を信じていたいのである。

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