1.5 ニセ科学はなぜ反証できないのか?


1.5.1 奇妙なたとえ

 マックスウェル電磁気学の基本である『近接作用』と『場の理論』の問題点については、
すでに述べた。こうした問題のある考え方を、アインシュタインは、『重力』の分野にま
で持ち込んだ。そして、一般相対性理論による重力場理論を提唱した。
 上辺の虚仮威し的な高等数学の羅列に惑わされない人たちから見れば、これは単なる数
学遊技の産物なのだが、アインシュタインは自分の理論をより多くの人にアピールするた
めに、『へこんだシートのたとえ』を考え出した。この『たとえ』は、視覚的でわかりや
すく、どんな人でも(相対論を)理解できたような気分にさせてくれる。専門家でさえ、
考え方については、この『たとえ』以上の説明はできないのが実状だ。
 だが、この『たとえ』にこそ、実は、アインシュタインの重力理論、つまりは、一般相
対性理論の空虚さがはっきりとあらわれているのである。
 例として、二つの物体(AとB)の間に働く重力について見てみよう。
 一般相対性理論によれば、まず、物体Aが存在すると、その質量によって時空が曲がる。
(シートの上に重い物体を載せたときに、シートがへこむように)。これが重力場である。
物体Bは、この曲がった時空に沿って進もうとするので、進路が曲げられる。(へこんだ
シートに沿って、玉が転がるように)。これにより、物体Bは、あたかも物体Aから力を
受けたように振る舞う。これが、一般相対性理論による重力の説明である。
 だが、ここで問題が浮上する。今、物体Aによって時空が曲がり、それにそって物体B
が進むとしたが、これは物体Bから見た場合の話である。もし、物体Aから見ると、時空
を曲げているのは物体Bの方であって、物体Aがそれに沿って進むことになる。
 だとすると、いったい時空の本当の状態は、どちらなのか?
 この問題を、さらに別の立場(たとえば物体C)から見ると、もっとおかしなことにな
る。物体Aと物体Bは、それぞれ、自分自身の質量によって生じた時空のへこみの底にあ
って、身動きがとれず、互いに近寄っていくことができない。
 これは、二つの物体の間に働くはずの重力を否定することになる。
 以上のことから、『へこんだシートのたとえ』は、一般相対性理論のボロをさらけ出す
もの以外の何ものでもないことがわかるだろう。

 よくよく考えてみれば、シートがへこむのは重力のおかげであり、それに沿って玉が転
がるのも重力のおかげである。つまり、一般相対性理論は、重力によって重力を説明して
いるのである。

 加えて、曲がった時空に沿って、天体のような質量の大きい物体が進むためには、時空
は非常に固いものでなければならない。だが、時空はそんな固いものではない。これはち
ょうど、以下のようなエーテルの矛盾点とよく似ている。光の速度は非常に速い。そのた
めには、媒体であるエーテルは非常に固いものでなければならない。だが、そのような固
いものの存在を認識することはない。
 こうしてみると、近接作用や場の理論に基づく理論というものが、同じような欠陥があ
ることがわかるだろう。相対論信者たちは、エーテルをバカにするが、そういう自分たち
の信じている相対論も同じ欠陥のある理論なのである。

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