・光速度が一定になるわけ

 観測者が光源に対して相対運動すると、観測者から見た光速度は変化し、そこではガリ
レイ変換が成り立つ。下図(図2)にその様子を示す。



 ところが、実験を行ってみると、そうはならず、光速度は常にcになるという。だが、
これは決して光速度不変の原理を証明するものではない。では、なぜ光速度が常にcと
観測されてしまうのだろうか?
 まずここで問わねばならないのは、光速度を測定する観測装置が検出する光とは、どこ
から発せられてものなのかということである。言い換えれば、観測装置にとっての光源は
何処か(どれか)ということだ。
 光速度は、波長と周波数とを測定し、算出される。ところが、これらを測定する装置の
光の経路には、鏡、レンズ、プリズム、フィルター、…といったものが必ずある。こうい
うものがあると、そこが新たな光源になってしまう。つまり、それらが観測装置にとって
光源となってしまうのである。この新たな光源に対して、観測装置は相対運動はしていな
いのだから、結局、観測装置では光速度がcになってしまうのである。つまり、これは光
源に対して観測者が相対運動していない(静止している)のと同じなのだ。したがって、
光速度が常にcになるのは、当たり前なのである。
 上記のことに加えて、後で述べる仮想力線電磁気学の『疑似エーテル』という概念を学
べば、そのことがより一層明確になるだろう。
 いずれにせよ、どんな観測装置も、観測装置内の光の速度は測定できても、観測装置に
入ってくる光の速度は測定できないのである。

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